乾燥のおかげでこんなことができました

自然の力を借りる「干す暮らし」のススメ

二拠点生活をしていると、旬のものを大量にいただいたり、道の駅でお得に買えたりと、食材が一気に増える時期があります。「どうやって食べ切ろう？」と考えることもありますが、そんな時に本当に助かっているのが“干す”という知恵です。

天日干しは昔ながらの保存方法ですが、実は効率的で、栄養価も上がり、そして何より美味しくなる。今回は、我が家が毎年のように楽しんでいる“乾燥の力で変わる食材たち”をご紹介します。

干し柿：渋柿がスイーツに変わる魔法

干し柿に使うのは、名前のとおり“渋柿”。生では絶対に食べられないほど渋いのですが、干すことで驚くほど甘く変身します。

渋柿と甘柿の違い

渋味の原因は「タンニン」。
渋柿のタンニンは水溶性なので、干すことで“不溶性”に変化し、渋味が消えます。

さらに水分が抜けて糖度が凝縮されるため、
干し柿は甘柿の約4倍の甘さになると言われています。
添加物なし、砂糖なしの自然の甘さ。まさに天然スイーツ。

自家製干し柿の魅力

• 手作りだから添加物ゼロ
• 干し加減で、自分の好みの硬さに
• 濃厚でねっとりした甘さは市販以上
• 子どものおやつにも安心
• 子供と一緒に作って食育に

失敗しないための注意ポイント

1. カビ対策が最重要
   干し柿作りは“最初の3日が勝負”。
   3日間晴れが続く予報の日を狙うのがポイントです。
   雨の日は必ず室内へ退避。
2. 虫対策
   外で干すならネット必須。
3. 早く仕上げるコツ
   3日ごとに“モミモミ”すると、ねっとり仕上がるスピードがアップ。

道の駅は宝の山

秋になると、道の駅で渋柿が
10個500～800円、傷ありなら10個300円など格安で売られています。
大量に作るなら今がチャンス。

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干し芋：べにはるか・安納芋で極上スイーツ

干し芋は簡単。

蒸す→皮を剥く→切る→干す これだけです。

べにはるかや安納芋は甘味が強く、水分量も多いので干し芋に最適。

手作り干し芋のメリット

• 手作りだから添加物ゼロ
• 市販品より柔らかく甘い
• 子どものおやつにも最適
• 保存が効いて非常食にも◎
• 焼いたら蜜がにじむほど甘い

干し芋は“干すだけで劇的に味が変わる”食材の代表です。
干し芋は蒸し方ひとつで甘さが変わります。
特にストウブなどの厚手の鋳物鍋は、少量の水でしっとり蒸し焼きにでき、干した後の甘みが段違いです。
「家の干し芋がなぜか白っぽくて固い」という方は、まず鍋を見直すだけで味が劇的に変わります。

切り干し大根：大根の皮も無駄なく使い切る

大根を料理するとき、皮をどうしていますか？

我が家では、皮こそ美味しい部分だと思っています。

皮を日干し→保存食に

毎回むいた皮を日干しして、乾いたら保存袋へ。
ある程度たまったら“切り干し大根煮”に。
もし量が足りなければ市販の切り干し大根に足して使うとちょうど良いです。

干すメリット

• 食品ロス対策に
• 食物繊維が格段に増える
• 煮物にすると味がしみて美味しい
• 乾燥で栄養が凝縮される

“捨てるはずだった部分”がおいしい保存食に変わります。

かぼちゃの種：実はスーパーフードだった

かぼちゃの種、捨てていませんか？
実はこれ、スーパーフードです。

干せばそのまま食べられる
軽く干すだけで、生のままでも食べられます。

さらにスキレットで焼くと、香ばしさが増してクセになる味に。

かぼちゃの種に含まれる栄養

• 亜鉛
• 鉄分
• マグネシウム
• 良質な脂質

美容や、コレステロール値が気になる人にも嬉しい食材。

“捨てるのがもったいないNo.1”といっても過言ではありません。

レモン酢の残りレモンで乾燥レモン

レモン酢を大量に作ると、どうしてもレモンが余ります。

そんな時におすすめなのが干しレモン。

使い方いろいろ

• 紅茶に入れてレモンティー
• 水筒に入れてフレーバーウォーター
• 料理のアクセントにも◎

乾燥させることで保存性がアップし、便利さが格段に増します。

きのこを干すとビタミンDが増える

きのこは“干すと栄養が倍増”する珍しい食材。

紫外線でビタミンDが増える理由

きのこに含まれる「エルゴステロール」が紫外線に当たると

ビタミンDに変化します。

• 骨の健康
• 免疫力アップ
• 冬のインフルエンザ対策

家庭でできる“栄養価アップ術”としてもおすすめです。

常備菜に最適なレシピ

スーパーで大量に買ったきのこを

日干し→オリーブオイルで焼き蒸し→塩胡椒

これだけで絶品常備菜。

ニンニクやバジルでアレンジしても美味しい。

白菜を干してからキムチにすると別格の味に

自家製キムチを作る時の裏ワザ。

切った白菜を3〜4時間だけ干す。

なぜ干すと良いのか

• 水分が少し抜けてキムチが水っぽくならない
• 旨味と甘味が凝縮されて味が濃厚
• 発酵が安定して失敗しにくい

一手間で仕上がりが劇的に変わります。

乾燥の力は“保存”ではなく“進化”

干すことで食材が保存できるのはもちろんですが、
実は一番の魅力は “味が進化すること” にあります。

• 甘味が強くなる
• 旨味が凝縮される
• 栄養価が上がる
• 保存性が高まる
• 無駄が減る
• 買いすぎ対策になる

天気の良い日にひと手間かけるだけで、
いつもの食材がまったく別の料理に変わります。

二拠点生活をしていると特に、干す文化のありがたさを感じます。
新鮮な食材が手に入りやすい一方、使い切れないこともある。
そんな時、干すという選択によって、食材を無駄にせず、
むしろ美味しく保存していくことができます。

「乾燥のおかげでこんなことができました」
そう言える食の工夫は、暮らしそのものを豊かにしてくれます。

▼ 干し柿・切り干し大根・きのこにおすすめ

多段式干し網

▼ 干し芋を極上にするなら

ストウブ 鍋２４cm

▼ 乾燥レモンを一気に作るなら

フードドライヤー