薪ストーブに憧れて別荘を購入｜5年使って分かったこと

「薪ストーブが欲しくて、別荘を買いました。」

こう書くと、ちょっと大げさに聞こえるかもしれません。
でも私にとっては、あながち過言でもありませんでした。

もちろん、別荘購入は家族全員の決断ですし、複数の理由があって選んだ物件です。
ただその中でも「薪ストーブが付いている」というポイントは、私の心を大きく動かした決め手でした。

今回は、そんな私たち家族が別荘を購入してから5年間、
薪ストーブと共に過ごしてきた実体験をもとに、

「なぜ薪ストーブに惹かれたのか？」
「薪ストーブ生活は本当におすすめできるのか？」

について、たっぷり語りたいと思います。

コロナ禍で家にこもる日々から生まれた別荘探し

すべてのきっかけはコロナ禍でした。

以前のように旅行もできず、
家で過ごす時間ばかりが増えると、心にも体にもどんよりした重りが乗っているようで…。

そんなとき、偶然目にしたのが中古別荘のサイト。

その写真に写っていた自然の景色にすっかり魅了されてしまったのです。

しかも見てみると、中古別荘は思っていたよりずっと手の届く価格帯。
そこから一気に別荘という選択肢が現実味を帯びてきました。

中古別荘に興味がある方は、まずは旅行ついでに“その土地を見に行く”のがおすすめです。
実際に空気や景色を体験すると、写真では分からない相性がよく見えてきます。

さらに、ふるさと納税の宿泊券を活用すれば、那須旅行のコストをぐっと抑えられるので、下見旅にも最適。
気軽に「住むように泊まる」感覚で、別荘候補地の雰囲気を確かめてみてください。

別荘のリスクを知るほど「薪ストーブ」の存在が大きくなる

しかし興味が出てくるほど、別荘にはリスクが付きものだと知ります。

• 維持費
• 管理の手間
• 冬の寒さ
• 湿気やカビ
• 治安
• 水回りの劣化 など…

私たちが候補地としていたのは那須。

夏は避暑地として快適ですが、冬は東京よりもずっと冷え込みます。

「真冬は別荘で快適に過ごせるのかな？」

そんな疑問が湧く中で出会ったのが——薪ストーブでした。

薪ストーブとの出会い：暖房能力の強さに驚く

薪ストーブについて調べ始めると、その暖房能力に驚かされました。

• 遠赤外線でじんわり体の芯から温める
• エアコンのような乾燥がない
• 灯油ストーブよりも暖かさに“質”がある
• 部屋全体を均一に温められる
• 炎のゆらぎに癒し効果がある

特に惹かれたのが、遠赤外線で温まるということ。

焚き火とも、エアコンとも違う、

人間の原始的な部分に訴えかけるような温かさ

という感想が多く、
気づけば薪ストーブにどんどん興味を持っていきました。

さらにSNSやYouTubeで薪ストーブ料理の動画を見ると、
完全に虜に。

ピザ、焼き芋、煮込み料理…
どれも美味しそうで、炎を見ながら料理する生活が想像だけで楽しくなるのです。

条件に「薪ストーブ付き」を追加して物件探しへ

そこから家族で本格的に別荘探しを始めました。
そして、私はひっそりと“物件の条件リスト”に項目を一つ足しました。

「薪ストーブが付いていること」

すると奇跡のような物件と出会います。
中古別荘に、すでにしっかり使われてきた薪ストーブが据え付けられていて、窓も大きい。

炎が楽しめる最高の環境でした。
天板も広くて料理ができそう。

炉内でピザを焼く夢も叶えられそう。
…こうして私たちはその物件を購入し、薪ストーブ生活が始まったのです。

5年間過ごしてわかった「薪ストーブ生活のリアル」

暖かさは期待以上。むしろ“別格”

使い始めてすぐ、私が一番驚いたのは暖房能力の圧倒的な高さ。

我が家は吹き抜けがありますが、薪ストーブひとつで家全体がぽかぽか。
2階までしっかり暖まるので、真冬でも家の中は半袖で過ごせるほどです。

• 洗面所のドアを開ければ暖かい
• 閉めればリビングの温度がさらに上がる
• 外は氷点下でも家の中は20度以上キープ

エアコンでは絶対に味わえない、やわらかくて包まれるような暖かさがあります。

薪ストーブ料理が楽しくてたまらない

薪ストーブの楽しみは暖房だけではありません。

我が家で衝撃だったのは、
炉内で焼いたピザ。

本当にお店のような仕上がりになります。

• チーズはとろとろ
• 生地はカリッと香ばしい
• 焼きたての香りは最高

薪ストーブの炉内調理をもっと楽しみたい方に、とても相性のいいアイテムがあります。

それが 鋳造製の「おもいの鉄板」。鋳物ならではの圧倒的な蓄熱力があり、ステーキ、ハンバーグ、焼きそば、お好み焼きが“普通のフライパンとは別次元の仕上がり” になります。

さらに嬉しいのは、薪ストーブの炉内にそのまま入れて調理できるほどの耐熱性があること。

焚き火やキャンプ料理が好きな人にもぴったりで、家でも別荘でも大活躍します。

実はこの「おもいの鉄板」、ふるさと納税の返礼品としても手に入るため、実質負担１／３の値段でゲットできるのが最大の魅力。

薪ストーブ料理の幅を一気に広げたい方は、チェックしておいて損はありません。

ほかにも、

• 焼き芋
• 厚切りステーキ
• 天板で焼く餅やパン

どれも電気オーブンでは出せない味と香ばしさがあり、五感を刺激してくれます。

「薪ストーブ＝料理の幅が広がる」

というのは本当でした。

薪ストーブ料理用五徳を入れるだけで、スキレット、鉄板、ダッチオーブンを乗せての炉内調理が可能になります。

炎の癒し効果は想像以上

薪に火をつけた直後の炎は、
細くて、まるで息をひそめているように震えています。
少しでも風が吹けば消えてしまいそうで、そっと見守りたくなるほど“か弱い”。

しかし時間が経つと、
細い枝がぱち、と音を立て、炎はゆっくりと背伸びを始めます。

そして一度“軌道に乗る”と、炎は一気に勢いを増します。

薪の隙間から吹き出す火は、
まるで踊り子のジャンプのように高く跳ね、ぐんぐん背を伸ばし、勢いよく天板へ向かって上昇する。

炎が波打ち、空気が震え、こちらが吸い込まれるような迫力がある。
しばらく見つめていると、色に変化が生まれます。

赤からオレンジ、そしてふっと青が差し込み、紫が混じる。
夜空のグラデーションを閉じ込めたような色が、炉の内側で静かに揺れ続ける。

それらが次第に落ち着き、
炎がゆっくり低くなると、まるで“満足したよ”と言うかのように穏やかな明るさだけを残す。

ずっと見ても飽きません。
炎の前に座っていると、どうしてこんなにも心が落ち着くのか。

「人はなぜ炎に癒されるのか？」

その理由はただの“雰囲気”ではないようです。

人は炎の「1/fゆらぎ」に本能的に惹かれると言われています。
規則的すぎず、乱れすぎもしない、心拍や波のリズムに似たゆらぎ。

薪がはぜる「パチパチ」という小さな破裂音はホワイトノイズとなり、
耳に心地よく染み込みます。

さらに、炎の暖色光は副交感神経を優位にし、
心身をゆっくりと緩めてくれる。

そして何より——

火は、人類の文明の始まりを支えてきた“原始の安心感”そのもの。
温かさ、光、香り、音、手ざわり。

五感のすべてをじんわりと包み込むこの体験が複合的に働き、
私たちを深くリラックスさせながら、
どこか研ぎ澄まされた集中へも導いてくれます。

だから人は、炎に魅了されるのです。

意外な魅力：薪割りが爽快すぎる

これは完全に予想外でした。

最初は市販の薪を買っていましたが、敷地の木を伐採して自分たちで薪割りを始めたところ…

斧で薪が真っ二つに割れた瞬間の爽快感がすごい。

• ストレス発散
• 体が喜ぶ感覚
• 作業が楽しい
• 達成感が大きい

子供たちも手動薪割り機のキンドリングクラッカーで参加しながら、家族の時間が増えたのも嬉しい誤算でした。

まとめ：薪ストーブに惹かれて別荘を買ったのは“正解”だった

薪ストーブが欲しくて別荘を買う——

改めて考えると、なかなか大胆な行動です。

でも、

薪ストーブのある暮らしを5年続けて心から思うのは、これを選んで本当に良かったということ。

• 炎の暖かさ
• 料理の楽しさ
• 家族の時間
• 自分と向き合う時間
• 自然のリズムで生きる感覚

そのすべてが薪ストーブ生活の魅力です。

もしあなたが薪ストーブに心を惹かれているなら、人生で一度体験してみる価値はあります。

炎のぬくもりは、きっとあなたの暮らしを豊かにしてくれるはずです。